2017 July

 

 

着物好きの従姉妹姪の紹介で「暮らしのクラフトゆずりは」の展示会に伺う。「ゆずりは」は青森・秋田・岩 手をはじめ東北の手作りの品々を「日々の暮らしの中で使って頂けるも の」を テーマに集めている十和田にあるお店。東京では年に数回の展示会でその美しい 品々に触れることが出来る。今回は「東北の夏衣」、貴重なから むし織りの帯 やショールを拝見する。東北の職人たちの手仕事を後世に残すためにその価値を 発信して行きたいとおっしゃる店主の田中陽子氏も会場に 居られ、その涼やか なで穏やかな佇まいに外の酷暑も忘れる。
 
 
ともする と作り手のこだわりやそれに纏わるお話が重くなりがちな伝統工 芸品 だけれ ど、店主の田中氏の何ともいえない穏やかな語り口につい聞き入ってし まう。私 自身はデザイナーとして「作り手のこだわりを押し付けな い」、その 製作の工 程がいかに複雑で大変であってもそれはデザイナーの事情であり、出 来上がった 作品はあくまで「軽やかで爽やか、透明感があるこ と」を大切にし ているので 田中氏は職人たちにとって素晴らしい大使と感じ入る。

 

 

   
 
 
店主の田中陽子氏の著作「ゆずりはの詩」を頂く。ゆずりはでお取り扱いになっ ている手工芸品との出会いのエピソードに始まりその製品の製作過程や 歴史な どきめ細やかに紐とかれ、実際に製品を手に取ってみたくなる。何よりご自身の 足で探し、手で触り、語り合い・・・熱い思いを独特のまろやか な語り口で爽 やかにまとめた文章がとても素敵。

 

 

   
 
 
 
幼稚園からの幼馴染み、M氏の雅楽演奏会に伺う。篳篥(ひちりき)の不思議な 音色と雅楽独特の雅な調べにうっとり。演奏発表の後、珍しい楽器を拝 見しそ の歴史などをそれぞれの奏者がご説明下さる。M氏の奏でる篳篥の楽譜は西洋音 楽の楽譜とはまったく異なるもので、どのように解読するのか? 雅楽の歴史と 旋律の奥の深さ、各々の楽器の美しい形やその音色にさまざまな学びを深めた演 奏会、貴重な機会お招き頂いたM氏に感謝。

 

 

   
 
 
母のモノをさまざまに整理する夏。CDのコレクションも個性的な母らしくハワ イのフラの音楽とエリック・サティが並んでいる。あまりにも暑い今年 の夏、 ひんやりしたアトリエで母が聴いていたサティの流れる朝・・・。母にも聴こえ るかしら?

 

 

   
 
 
 
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  軽井沢のルヴァン美術館で「同時代に生きた芸術家ール・コルビジェ 西村伊 作」展と「坂倉準三へのつながりー坂倉ユリ制作タピストリー」展を見 る。文 化学院創始者の西村伊作氏の壮大なヒストリーが写真や資料と共に展開され、続 いて建築家、坂倉準三氏がル・コルビジェのアトリエに居た時、 ル・コルビ ジェから直接プレゼントされた絵や、ディナーに招かれた際にテーブルに置いて あったというメッセージを秘めた貝殻など貴重なオブジェが 展示されている。 坂倉ユリ氏が織ったル・コルビジェへのオマージュ、数々のタピストリーはその 技法もオリジナリティに溢れていて興味深い。  

 

 

 
 
expo index
元坂倉準三建築研究所に勤めていたF氏のトークショーもあり、ル・コルビジェ の作品の紹介、坂倉事務所時代の秘話など初めて聞く話も。パリの日本 文化会 館で開催された「坂倉準三:人間のための建築」展も大盛況だったと聞きその功 績の大きさを知る。
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